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ある雨の夜に・・・番外編 後編

番外編の後編です。編使いすぎじゃね?・・・強くね?
というわけで後編なわけですが、過去のお話からスタートです。

過去と言っても前編から見て過去であって、
本編から見れば、ラストから数年後のお話です。
時系列が若干グチャグチャだけど気にしない。






孝之「こどもぉ!?」
健一「あ、ああ。っていうか声でかいぞ」
孝之「お前なぁ!子供なんか作ったらいよいよ自由がなくなるぞ」
健一「自由って・・・っていうか声でかいぞ」

孝之「・・・・・・」
健一「なっ、なんだよ」
孝之「・・・なんかお前、幸せそうじゃないか?」
健一「そりゃあ、ね」
孝之「うわっ、今のニヤつき顔!写真に撮ってバラまいてやりたいぜ」

健一「そういうお前は長谷川さんとはどうなんだよ?」
孝之「どうって・・・」
健一「・・・プロポーズ、待ってるんじゃないのか?」
孝之「いや、だってよ・・・」
健一「?」

孝之「・・・いや!それよりもお前、子供の話だよ!」
健一「え、なんだよいきなり」
孝之「子供が生まれたら養育費とか色々かかるだろ? どうすんだよ」
健一「ああ、そうか・・・」
孝之「お前、小説家になりたいって言ってたけど・・・」

健一「うん、やめようと思う」
孝之「・・・やめちまうのか? 今書いてる最中じゃないのか?」
健一「でも売れるとは限らないし、売れたとしても、その後が続くかどうか・・・。
    これから子供が生まれるんだ。もっと安定した収入を仕事をしないとな」

孝之「・・・あの子は?」
健一「・・・大事な家族に辛い思いさせたら、それこそあの子に申し訳ないよ」
孝之「・・・そうか」

ブー、ブー
孝之「ん?・・・あっ」
健一「長谷川さんから?」
孝之「ああ、わりぃ行くわ。お呼び出しがかかった」
健一「わかった・・・なんか嬉しそうだな」
孝之「ばっ!?そんな事ねぇよ!めんどくせぇ!!」
健一「ははっ、そういう事にしておくよ。じゃあな」
孝之「ああ」



『やめたくない』
それが本音だった。でも将来への不安と現実が、僕に夢を見る事をやめさせた。

ブー、ブー
健一「?・・・おっ」

“今日の夕ご飯はアラビアータにしようと思うの^^
帰りに材料を買ってきてもらえる?”

・・・僕も帰るか。帰ったらちゃんと話さないとな。



真理子「・・・えっ? 今なんて言ったの?」
健一「いや、小説家はやめておこうと思って」
真理子「なんで?」
健一「これから子供だって生まれるし、もっと安定した職に就いた方が・・・」
真理子「だめだよそんなの!!」」

健一「・・・へ?」
真理子「だって、いつもあんなに頑張ってたのに!
     せっかく・・・・・・・・・もうすぐ完成なんだよ?」

予想に反して僕の意見を否定した彼女の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。
健一「でも、売れるとは限らないし・・・」
真理子「夢、叶えてあげるんでしょ?」
健一「・・・!」
真理子「小説を通して、あの子にいっぱい友達作るって約束したんでしょ?」
健一「・・・・・・でも」

真理子「私達は大丈夫だよ」
健一「えっ・・・」
真理子「だって・・・健一君の事、信じてるもの」
健一「・・・」
真理子「・・・諦めないで」
健一「・・・いいの?」
真理子「うん」
健一「・・・・・・ありがとう」
そう答えた僕の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。温かい涙が。



真理子「そういえばね、子供の名前なんだけど」
健一「ああ名前か。でもそれは性別が分かってからで良いんじゃないかな?」
真理子「ううん、もう決めてあるの」
健一「え? だってまだ性別も分かってないのに?」
真理子「この子はね、女の子なの」
健一「何で分かるの?」
真理子「そう教えてくれたの」
健一「誰が? 医者の先生?」

真理子「この子が」
健一「・・・えっ?」
真理子「伝わってくるの。この子の言いたい事が。
     だから、この子に一番似合う名前にしたの」
健一「・・・なんて名前?」
真理子「名前はね・・・」



“今日はあたしの12歳の誕生日!
お父さんとお母さんが誕生日パーティーをしてくれた!
そして明日はいよいよ中学校デビュー! いっぱいお友達ができるといいな♪
そしたらみんなで旅行とかに行ってみたり? 楽しそう~♪”

“大きくなったらお友達の家にお泊りとかしたいなぁ。お父さんは許してくれるかな?
それよりもお母さんが許してくれるかの方が重要かな。
んん~楽しみだぁ! 早く大きく”

健一「ん? 何書いてるんだ?」
娘「ちょっ! 見ないでよお父さん!」
健一「なっ、なんだ別に日記くらい」
娘「ダメ!もし見たらお父さんキライになるよ!」
健一「えぇ・・・」
真理子「2人とも~! ミートパイ焼けたわよ~」
健一&娘「はーい」

“今日は、お母さんがミートパイを焼いてくれた!
お母さんの焼いたミートパイは美味しいから大好き!
でもでも、お父さんはあたしのプリンを勝手に食べてた。楽しみだったのに!
あたしが怒ったら、お父さんはちょっと落ち込んでた。
可哀想だけど・・・でも怒ってるんだからっ!

・・・でも、やっぱり言いすぎたかな。あとでちゃんと謝ろう。
お父さんはいつもあたしやお母さんを大事に思ってくれてるし。
プリンは・・・また今度買ってきてもらえばいいよね!
さっきはキライって言ったけど、やっぱりお父さん大好き!”

真理子「美味しそうに食べるわね」
健一「お母さんのミートパイ大好きだもんな」
娘「うん!」
真理子「ほら、口にソースついてる」
娘「えへへ!お母さん大好き!」
真理子「なぁに突然?」
健一「お父さんは?」
娘「う~ん」
健一「ガーン!」
娘「あはは!ウソだよ、お父さんも大好きだよ」
健一「・・・お父さんも大好きだよ、アリカ」
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