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記憶の糸紡ぎ 第10話

キリの良い第10話です。
なんとなく終わりが見えてきました。
しかしそこにどうやって話を持っていこうか・・・。






コンコン
優司「先輩・・・っと」
唯「スゥ・・・スゥ・・・」
優司「(・・・寝てるのか)」



あれから2週間が過ぎた。
入院したての時は“いつもの先輩”の時も多かったが、
最近ではそんな先輩はほとんど見られない。
月白先生の話では、精神年齢は既に8~9歳前後まで逆行しているだろうという話だ。

それと、今まで考えていなかった事がある。
もしこのまま精神が逆行を続けたら、最終的にはどうなるんだろうか?

月白「それはないわ」
優司「そうなんですか?」

僕の疑問に先生はさも当たり前のように答えた。
月白「いくら精神が逆行するといっても、それは本人の精神が形成されている時期まで。
   そこをさらに遡る事はないわ」

優司「精神が形成って?」
月白「物心ついた頃という事よ」
優司「物心ついた頃・・・」

月白「逆行催眠は、本人が忘れてしまった事や、
   無意識に記憶の底に閉じ込めてしまった事なんかも思い出させる事が出来るの。
   でも、精神が形成されるよりも前。
   例えば、母体の中にいた頃の記憶までは分からないわ」

優司「へぇ・・・」



少し安心した。
正直、まだ分からない事だらけだけど、もしも今よりさらに幼くなったら?
言葉を覚えるより幼く、呼吸の仕方を覚えるよりも幼くなったら?

人は生まれた瞬間に呼吸する。お腹の中でも呼吸していると聞いた事もある。
だからどれだけ幼くなっても、呼吸の仕方は忘れないかもしれない。
でも、万が一・・・そう思うと不安だった。

物心つく頃って何歳ぐらいだろ? 2歳か3歳か・・・それぐらいかな?
それならまだ・・・いや! いやいやいや!
それだって大変な事に変わりはないんだ。
先輩が元に戻る事、それが一番だ。
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