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記憶の糸紡ぎ 第13話

第13話です。最終話一歩手前ですが、実質最終回みたいなものです。
最終回はエピローグみたいなのだし。
容態が急変した藤野。一体何が!?




優司「先生っ!!」
月白「静かにしなさい。他の患者さんもいるのよ」
優司「先輩は、先輩はどうなったんですか!?」
月白「眠っているわ」

優司「ねむ・・・ってる?」
月白「ええ」
優司「でも、容態が急変したって・・・」
月白「・・・ずっと眠っているのよ」
優司「ずっと?」

月白「呼吸は正常、脈拍も異常なし。ただし、ずっと眠っているわ」
優司「それって・・・植物状態って事ですか?」
月白「厳密には違うけど、状況的には大差ないわ」
優司「なんで・・・」
月白「分からないわ。原因不明よ」
優司「そんな・・・」

月白「おそらく」
優司「・・・え?」
月白「恐らくだけど、これも彼女の自己防衛本能によるものだと思うわ」
優司「どういう・・・事ですか?」

月白「幼児退行する事で現状感じていたストレスから自己を守ろうとした。
   しかし、幼児退行してもまだ意識はあるわ。
   どれだけ子供に戻っても状況は改善されず、
   藤野さんの脳は自身を守るために次の行動に移った」

優司「それが寝る事・・・なんですか?」
月白「そうよ。意識を覚醒させない事で、
   覚醒時に受けているであろうストレスをシャットダウンしているものと考えられるわ」

優司「・・・・・・」
月白「けど、もしこのまま目を覚まさなかったら・・・」
優司「・・・どう、なるんですか?」
月白「・・・・・・」
優司「・・・ッ!先輩!」
月白「あ、待ちなさいっ!」

先生の制止を振り切り、僕は病室に急いだ。
優司「先輩っ!」
スゥ・・・スゥ・・・スゥ・・・。

優司「・・・先輩、起きて下さい。いつもみたいに僕を起こしに来てくださいよ」
月白「やめなさい高嶺君。今の藤野さんは絶対安静よ」
優司「ほら、先輩。先生にも迷惑かかってますから」
月白「いい加減にしなさい!」
優司「すぐに目覚めるんです!」

月白「・・・・・・」
優司「先輩は・・・目覚めますから・・・目覚め・・・うぅ」
月白「高嶺君・・・」
優司「起きて下さいよ先輩・・・こんなの嫌ですよ。
   朝起こされるのも、勉強させられるのも、本当は楽しくて・・・だから・・・。
   まだ話したい事とかいっぱいあるのに」

月白「・・・・・・」
優司「起きてよ・・・ゆいお姉ちゃん・・・ひっぐ」
月白「・・・!」
優司「うぅ・・っ・・・?」

スッ と頭を撫でられた。
優司「ゆい・・・おねえちゃん?」
唯「何泣いてるのよ・・・男の子でしょ?」
優司「ゆいおねえちゃん・・・」
唯「・・・やっと、お姉ちゃんって呼んでくれたね」

優司「・・・うっ、うわあああぁぁぁん!」
唯「ちょっ、バカ!泣かないの!」
優司「うん・・・うん・・・!」
月白「・・・ふぅ」
(邪魔者は退散するべきかしらね・・・きっともう、大丈夫だろうし)
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