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怖い話を思いついた

昨日お風呂入ってたらなんとなく思いついたので書く。
苦手な人は読まないように、と書くけど、そこまで怖いもんでもないお。
タイトルは・・・思い浮かばんなぁ。
一応『プレゼント』ということで。



『プレゼント』


8月21日。
今日は私の誕生日だ。

友達A「A子おめでとう!」
友達B「おめでとうA子!」
A子「わーありがとー!」

私はバイト仲間のみんなに、近くのお店で誕生日を祝ってもらっていた。
カワイイ石鹸や香水、観たかった映画のDVDなど、色々なプレゼントをもらった。

B男「はい、誕生日おめでとう」
A子「ありがとう」

彼はB男くん。
同じ時期にバイトを始めたこともあって、あっという間に仲良くなった。
優しくて頼りがいがあって、でもどこか間の抜けたところもあって。
ハッキリ言って、私は彼が好きだ。

周りからもイジられる位仲が良いが、それ以上の関係ではない。
今日は誕生日。
このタイミングで告白してくれたらすぐにでもOKするのだが。

友達A「中身何?」
A子「うん?」

彼女が聞いてきたのは、B男くんがくれた誕生日プレゼント。
紙袋に入っているが、中身が入っていないみたいに軽い。
中には1枚のディスクが、透明なケースに閉じられて入っていた。

友達A「なにそれ、ディスク?」
友達B「ひょっとしてあれじゃね?自作のラブソング的な~?」
B男「ばっ、そんなんじゃねぇって!」
友達B「ヒュゥ~!羨ましいぜ~!」

からかわれて顔を赤くするB男くん。
ひょっとしたら、ひょっとするのだろうか。

友達B「聞く?俺今ちょうどプレーヤー持ってるぜ?」
B男「やめろってお前~!」

これはひょっとするかもしれない。
なんだかこっちまで顔が赤くなってきた気がする。

B男「あぁ、ええっと、恥ずかしいからさ、中身は帰ってから確認してくれる?」
A子「う、うん・・・」

幸せな誕生日になった。



そして楽しい時間はあっという間に過ぎ、健全な私たちは夜通し騒ぐようなこともなく、
電車の動く時間に解散した。
帰宅したのは夜11時過ぎ。
本音をいえば、誕生日のうちにCDの中身を確認したいというのが理由だ。

A子「ただいまー」

私は1人暮らしだが、誰にともなく、帰ってくるとこう言ってしまう。
家はオートロックのマンション。
大学に通いながらのバイト生活、しかも1人暮らしでこの生活は、
親の仕送りによるところが大きい。
就活、頑張らないとなぁ。

A子「っとと、中身中身」

憂鬱になりかけた気分を盛り上げ直すように、B男くんからもらった紙袋に手を伸ばす。
袋からディスクケースを出し、ケースのふたを開けて気付いた。
ディスクの縁にDVD-Rと印刷がある。
どうやら自作のラブソングではないらしい。

A子「DVDってことは映像かぁ」

少し残念な気持ちになったが、

A子「いや、まだ自撮りのラブソングという線も・・・」

と、無理やり良いように解釈してみる。
が、現実はそう都合よくはいかない。
きっと前に見損ねたと話していた、テレビ番組か何かだろう。

でも、ひょっとして、という気持ちがあった。
淡い一握りの期待を胸に、DVDをレコーダーに入れ、テレビの電源をつける。
リモコンの再生ボタンを押すと、そこには見たことのない部屋とテーブル、
そしてB男くんが映っていた。

A子「えっ、ひょっとして・・・」
B男「えーと・・・A子、誕生日おめでとう!・・・なんか恥ずかしいなこれ(笑)」

まさかのビデオレターのようだ。
とすると、映っているのはB男くんの自宅だろう。
どうやらテーブルの上にカメラを置いて撮っているようだが、
微妙に頭が見切れているのがいかにも彼らしい。

画面右下には、映像を撮ったと思われる日付が表示されていた。
時刻は8月20日。
どうやら昨日撮ったもののようだ。

B男「誕生日のプレゼント、色々考えたんだ」
B男「A子の好きなもんとか、喜ぶもんとか・・・って、どっちも同じ意味か」
A子「ふふっ、ホントだよ(笑)」

画面の向こうで、B男くんは終始恥ずかしそうに話している。
見ているこっちまで恥ずかしくなってくる。

B男「それでさ、どうせならA子を驚かせようと思ってさ」
A子「うんうん」
B男「あっ、でもここじゃなくて別の場所でな!」
A子「別の場所?」
B男「というわけで、今からワープしまーす!」

というと、B男くんは立ち上がった。
カメラはそのままなので、見事に下半身しか映っていない。

B男「いきまーす!3、2、1、ハイ!」

元気な掛け声と共にジャンプすると、映像が切り替わった。
どこかの階段のようだ。

B男「・・・いどうしました」

私はすぐに、違和感に気付いた。
そこには、階段前に立つB男くんの姿が映っていた。
しかし、いつもの元気な彼とは全く違う、生気の感じられない無表情な顔。
そして。

A子「この階段って・・・うちのマンション?」

夜らしく、暗くて分かりにくかったが、このマンションの外階段のように見えた。

B男「いきます」

一切表情を変えないまま、抑揚のないトーンで話すB男くん。
そして彼は、階段を1段ずつ上がり始めた。

A子「・・・・・・」

何も言えないでいた。
この映像が一体何なのか、それを理解しようとするのに必死だった。
さっきまで一緒に誕生日を祝ってくれていたB男くんはいつものB男くんだった。
映像が切り替わる前も。

なのに今、階段を1段ずつ上がる彼は、とても同一人物とは思えなかった。
普通なら、何かの冗談や演技だと思うかもしれない。
しかし、とてもそうは思えない何かが、この映像から伝わってきていた。

1階分階段を上がったところで、左に5という数字が見て取れる。
どうやらここは5階のようだ。
ちなみにこのマンションは12階建てで、私が住んでいるのは8階だ。

その後もB男くんは同じスピードで階段を1段ずつ上がっていく。
6・・・7・・・ついに8階に着いた。

A子「・・・・・・」

怖かった。
もちろん彼は私の部屋の鍵なんて持っていない。
でも、ひょっとして、という気持ちがあった。

B男「・・・・・・・・・・・・」
A子「・・・・・・・・・・・・」

彼の視線の先には、私の部屋へと続く廊下があった。

B男「・・・・・・」
A子「へ?」

彼は身体の向きを階段へと戻し、再び1段ずつ上がり始めた。
てっきりここにきたのだと思っていた私は、かなり間抜けな声を出したと思う。

そして同時に、やはりこれはドッキリ的な何かなのではないかと思い始めた。
さっきまで感じていた言い知れない恐怖も、
B男くんのリアルな演技のせいで必要以上に怖がってしまっただけなのではないかと。

そして少しだけ冷静な気持ちになって見ると、
映像では階段を上がっていくB男くんが撮られている、ということに気付く。

A子「これ・・・誰が撮ってるんだろう?」

バイト仲間の誰かではあるのだろうが、誰にせよあまり笑える内容ではない。
B男くんにしたってそうだ。
きっと、私の気持ちには気付いていただろうに・・・。

そう思うと、なんだか腹が立ってきた。
まだ映像は途中だが、B男くんには一言文句を言いたい。

iPhoneを取り、B男くんの電話番号を探す。
そして電話をかけようとした時。

B男「つきました」
A子「え?」

その声に顔を上げ画面を見ると、そこは12階のさらに上、屋上だった。
屋上に来て一体何をするのか?
それよりも気になることに、私は気付いた。

A子「8月・・・21日?」

画面右下の日付。
自宅の時には20日だったものが、いつの間にか21日になっている。
時刻は・・・11時23分。

A子「え・・・なんで・・・え?」

意味が分からなかった。
混乱する私を置いて、画面の中の彼は屋上の端へと歩いていく。

彼の電話番号が表示されたiPhoneの画面。
その発信ボタンに置いていた指に、無意識に力が入った。

~~~♪

聞き覚えのあるメロディが、画面の中から聞こえてきた。

恐怖を振り払うように電話に意識を向ける。
電話に出てくれれば、それだけで安心できる。
しかし、いくら待っても聞こえてくるのは、発信音と画面の中からのメロディだけ。

A子「出てよ・・・お願い出てよぉっ!」

すがりつくようにiPhoneを握りしめ、目を閉じた。

~~~~~♪
プルルルルル。
~~~~~♪
プルルルルル。
~~♪
プルル。

A子「!」

発信音とメロディが、同時に止まった。
ハッとして目を開き、すぐにiPhoneを耳に当てる。

A子「もしも・・・っ!」

画面の中で、受話器を耳に当てた彼と、目が合った。

B男「それではこれからA子をおどろかせます」

そう言うと、彼はそのまま屋上から飛び降りた。
窓の外で、何かが落ちたような気がした。
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