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時を越えた約束 第16話

第16話です。物語りもいよいよクライマックスです。
現代に戻ってきたのぼる君。果たして優奈を救えるのか?

こちらで裏話等を更新していますので、良ければどうぞ。




コツコツコツコツ。
・・・・・・・・・。
コツコツコツ・・・。
・・・・・・。
優奈「・・・誰かいるの?」
その声を合図に、俺はゆっくりと姿を現す。

のぼる「百瀬優奈さんですね?」
優奈「・・・・・・」
のぼる「・・・落ち着いて聞いてください。
    いま、あなたを殺そうとしているストーカーがいます。
    俺はあなたを助けるために来ました」

優奈「・・・・・・」
のぼる「あの、信じられないかもしれませんが」
優奈「今日、なんだね」
のぼる「え?」

今日・・・って?
優奈「ちゃんと・・・助けに来てくれたんだね。のぼる君」
のぼる「あっ・・・」
覚えてて・・・くれたのか。

???「ダメじゃないかユウナ」
優奈「!!」
のぼる「・・・・・・」
暗闇からやってくる男の姿を、ゆっくりと街頭が照らし出す。
犯人「僕という恋人がいるのに他の男の名前を口にしたりして」
のぼる「・・・・・・」

犯人「でも大丈夫だよ」
のぼる「僕が浄化してあげるから、だろ?」
犯人「・・・何だ君は」
のぼる「お前の言う“浄化”っていうのは、その隠し持ってるナイフで優奈さんを殺す事か?
    それともスタンガンの方か?」

犯人「!?」
明らかな動揺。だが、その色はすぐに怒りへと変わる。以前見た時と同じように。
犯人「~~~っ!! 黙れ!!」

犯人「汚れた人間め!!
のぼる「汚れた人間め!!

犯人「!?!?」
のぼる「・・・・・・」
優奈「・・・・・・」
犯人「・・・お前、何なんだ」

のぼる「・・・優奈は優奈だ。他の何者でもない」
犯人「・・・なに?」
優奈「・・・・・・」
のぼる「お前の女神でもなければ人形でもない!
    お前が彼女を好きにしていい理由は何一つない!」

犯人「・・・・・・」
のぼる「お前は俺の事を汚れた人間だといったな。
     だがこの世に汚れた人間なんていない。俺も優奈も普通の人間だ。
    ・・・もし、汚れた存在がいるとしたら、それはお前ただ1人だ」

犯人「・・・・・・」
のぼる「・・・・・・」
犯人「・・・言いたい事はそれだけか?」

無表情に、無感情にそう言う犯人の目は、
俺の方を見ながら、しかし俺を見てはいなかった。

犯人「ユウナ、君はこの悪魔にそそのかされてしまったんだね。
   君を浄化した後は、また君が汚されないように僕が守ってあげるからね」

のぼる「させないぞ」
犯人「っ!! お前うるさ」
優奈「私は!」
のぼる「!!」
犯人「!?」

犯人の言葉を遮るように優奈さんが口を開く。
優奈「私はそそのかされてなんかないわ!
   自分の世界に閉じこもってみんなと距離を取ってた私を、
   のぼる君は救ってくれたのよ!」

犯人「・・・!?」
優奈さん・・・。
犯人「・・・まえさえ」
のぼる「!」
犯人「お前さえいなければー!!

犯人は懐からナイフを取り出し、俺に向かって突進してきた。
とっさにナイフを持った手を掴んだものの、
突っ込まれた勢いでそのまま後ろに倒されてしまった。
犯人は馬乗りになった状態で、力の限り俺にナイフを押し進める。

犯人「お前さえっ! お前さえっ! お前さえっ!!」
・・・っくそ、なんつう力だ!このままだと・・・。
犯人「お前さえっ!お前さえっ!!!

バリーン!!
不意に込められた力が解ける。そして俺に倒れこんでくる犯人。
後ろには、割れたガラスビンを持った優奈さんが立っていた。

優奈「大丈夫!?」
のぼる「あ、うん・・・」
そうか。優奈さんが助けてくれたのか。犯人はそのまま気絶したようだ。

のぼる「あっ、あの」
優奈「うん?」
のぼる「ありがとうございます。
    助けるつもりが助けてもらっちゃって・・・それに・・・!?」

優奈「・・・・・・」
のぼる「・・・・・・」
・・・・・・・・・!!?

優奈「敬語、やめようって言ったでしょ? 歳、同じなんだから」
のぼる「えっ、あっ、いっ・・・あのっ!」

いきなりの出来事に頭が追いつかない。今、俺何された?
くちびるが近づいてきて・・・。
優奈「ウフフ♪」
うろたえる俺をよそに、優奈さんはあの優しい笑顔をしていた。

ウー! ウー!
どこからともなく聞こえてくるサイレン音。その音の正体は俺達の方へとやってきた。
誰かが警察に連絡したらしい。

倒れていた犯人を連れて行った警察は、
俺達にも事情聴取のために同行するよう言った。
本当の事を言っても信じてもらえないだろうと思い、
俺は偶然その場に居合わせたという事にした。



事情聴取も終わり、俺達は解放された。
優奈さんの方は、ご両親やマネージャーさんが迎えに来ていた。
ついでに、どこで知ったのかテレビ局の人達も。

報道陣を押しのけ、迎えに来た車に乗る優奈さん達。
ふと、車に乗った優奈さんがこっちを見た。そして何かを言った。
しかし、車の窓ガラスと報道陣の質問の嵐で、その内容は聞き取れなかった。

その後俺は『事件関係者』として報道陣にもみくちゃにされたが、
『たまたま現場にいただけ』と言い通して何とか帰ってこれた。
正直、まだ考えたい事もあったけど、疲れたな・・・このまま寝る・・・か・・・。
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