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succession eyes ~重なる世界~ 第12話

第12話です。
アクアライズドラゴン討伐作戦当日。
4人はマリアンヌからある物を渡されますが・・・。

次回更新は火曜日です。
今回もこちらで裏話を載せてます。





作戦決行当日。AM09:00。

上官「それでは作戦内容を確認する!」
理沙&聡&ナナ&コースケ「はっ!」
上官「リサ・サトルのαペア、ナナ・コースケのβペアはマジカルモーターで目標に向かい、
   到着次第、本作戦目標のアクアライズドラゴンを討伐!
   単独行動は避け、連携を心がけろ!」

理沙&聡&ナナ&コースケ「はっ!」
上官「次に、作戦中に他の魔獣に邪魔されないよう、周りはγ隊が張る。
   近づく敵はマキが捕捉する」

真希「はい!」
上官「それから・・・マリアンヌ、例の物を」
マリアンヌ「はい」

返事をすると、マリアンヌは小型の通信機のようなものを4つ持ってきた。
形状から言って耳に直接装着するようだ。

理沙「これは?」
マリアンヌ「これはMiss.マキの感じた魔力の変化を皆さんに直接伝える通信機です」
聡「どういう事ですか?」
マリアンヌ「Miss.マキは対象が攻撃を行う際の微弱な魔力の変化を感じ取れます。
      皆さんもその変化が分かれば、
      いつどのように攻撃してくるかが分かりその場で対応できるでしょう?」

聡「なるほど・・・」
ミリアンヌ「送信されるのは対象の魔力変化に限られますので、
      周りの魔獣の気配まで察知する事もないでしょう」

聡「おお! すげぇや!」
マリアンヌ「ふふ、ありがとうございます。それからこれもどうぞ」

マリアンヌは理沙達に1粒の錠剤を渡した。

聡「これは何スか?」
マリアンヌ「それは魔力と身体能力を飛躍的に高めるものです」
聡「へぇー」

言いながら、聡は迷いなく薬を飲んだ。ナナとコースケも続くように飲んだ。

ミリアンヌ「・・・Miss.リサ、お飲みにならないの?」
理沙「・・・これ、安全なんでしょうね?」
マリアンヌ「・・・・・・」

理沙は睨みつけるように問いただした。何か副作用があるのではと疑っていた。

上官「その薬の安全は確認済みだ。任務遂行に支障をきたす。早く飲みたまえ」
理沙「・・・はい」

抵抗を感じながら、理沙は任務のためと割り切って薬を飲んだ。
それを見ていたマリアンヌの口元がわずかに緩んだのをナナは見逃さなかった。

上官「ではこれより作戦を・・・」
ナナ「上官」

作戦開始を告げようとした上官にナナが声をかける。

上官「なんだね?」
ナナ「マリオネイターの使用許可をいただけないでしょうか?」

上官は怪訝そうな顔でナナを見た。今回の作戦では聡がキーとなる。
ナナがマリオネイターを使う必要はない事は先日話したはずだ。

上官「なぜだ?」
ナナ「もし長期戦になった場合、あるいはサトルが攻撃不能になった場合、
対象が魔力を消耗していれば私のマリオネイターで操れる可能性もあります。
今作戦はサトルの攻撃で確実に対象を撃破する事が前提。万が一の場合には・・・」

一理あった。
聡に絶対の信頼を寄せているからこその作戦であり、
もし外したりやられたりした場合は、γ隊も含めての総攻撃という予定だったが、
アクアライズドラゴンの状況によってはマリオネイターが活きるかもしれない。

上官「・・・良いだろう。ただし、使用するタイミングはこちらで判断する!」
ナナ「はっ!」
上官「ではAM09:15、作戦を開始する!
   全員マジカルモーターに乗り、目標に向かえ!
   なお、目標までの安全ルートはマキが指示する!」

真希「はい!」

そうして真希のナビゲートの下、4人はアクアライズドラゴン討伐に向かった。




目が覚め、時計を確認する理沙。目覚ましをセットした時間より30分も早い。
寝直そうかとも思ったが、時間的にも中途半端だし、
なにより頭がやけにスッキリとしている。
昨日は遅くまで奈々の宿題に付き合っていたために寝坊しないようにと思っていたが、
どうやら取り越し苦労らしい。

理沙「おはよぉー」
理沙母「あら、早いわねぇ」

居間に行くと母親が朝食の準備をしていた。
理沙の家の朝食はパンが多いが、味噌汁の具を切っているところを見ると、
どうやら今日はご飯らしい。

理沙の母親は、朝食はご飯よりパン派で、
理沙もよくパンにマーマレードを塗って食べる。
しかし、どちらかといえば理沙はパンよりご飯の方が好きだった。
どちらも好きではあるが、ご飯の時は母親が味噌汁を作る。
理沙はその味噌汁が好きだった。

理沙「お母さん、何か手伝う事ある?」
理沙母「そうね、お父さんを起こしてきてちょうだい」

無論理沙は『朝食で』という意味で聞いたのだが、
母の手際の良さを見て手伝う事はないだろうと思った。

朝食を食べ終えて時計を確認すると、ゆっくり食べたつもりだったが、
それでもいつもより15分近く早い。
たまには早く行くのも良いか、そう思っていると・・・。

ピンポーン。
と玄関のチャイムが鳴った。こんな朝早くに誰が?

理沙「はーい?」
奈々「あ、理沙? おはよー」
理沙「奈々ちゃん?」
奈々「いやーなんかやけに早く起きちゃってさ。
   どうせだから一緒に行こうと思って迎えに来たのよ」

理沙「私も早く起きたんだぁ~♪ 今日は何か良い事でもあるのかもね!」

それから理沙は奈々と一緒に談笑しながら学校へ向かった。




真希「こちら真希! 気をつけてお姉ちゃん、そろそろよ!」
理沙「こちら理沙、了解・・・!?」

理沙が返事をした瞬間、魔力が急速に集束されるのを感じた。

聡「前方約200m、来るぞ!」
理沙&ナナ&コースケ「了解!」

間を置かず、前方から大量の水が渦を巻いて飛んでくる。
早々と察知した4人は余裕を持って避けるが、
知らなければ避けられないであろうスピードだ。

聡「あれか」

4人がほぼ同時に敵を視認した。写真で見たものよりさらに美しい姿をしている。
しかし、その見た目とは裏腹に恐ろしいほどの魔力が溢れ出ていた。

聡「敵を肉眼で確認! これより作戦を開始する!」
理沙&ナナ&コースケ「了解!」

聡の合図と共に、4人は素早くマジカルモーターを降り、それぞれの配置につく。
その間、アクアライズドラゴンは微動だにせず4人の動きを見ている。

ナナ「余裕って事かしらぁ? ムカつくわねぇ~」
コースケ「動かないならそれに越した事はないだろう」

ナナとコースケは左から、理沙と聡は右から向かっていく。
アクアライズドラゴンはナナ達の方を見た。

ナナ&コースケ「!?」

その瞬間、再び魔力が集束されるのを感じる5人。

真希「お姉ちゃん!!」
ナナ「分かってるわよ!」

感じる魔力の集束方向、形、アクアライズドラゴンの目線。
それら全てを一瞬のうちに見極め、ナナとコースケは『安全な場所』へ移動する。
そこへアクアライズドラゴンは口から超圧縮した水を放つ。
刹那、水はナナ達が『いた』場所に放たれ鋭い切れ跡を残した。
どんなに切れる剣でも、こんなにも深々と地に傷はつけられないだろう。

理沙「あれが・・・」
聡「データにあったウォーターカッターだな」

前日の作戦会議の際、
今まで記録されたアクアライズドラゴンの攻撃パターンの詳細が説明されていた。

主な魔法攻撃のパターンは5つ。
圧倒的量の水を渦上に放つアクアブレス。
水を超圧縮して刃のように放つウォーターカッター。
小型の水弾を大量に作り出し放つブルーバレッド。
さらに残り2つ。

いずれもかなりの速さではあるが、魔力の集束と位置に特徴があるため、
その魔力の変動を感じ取れればどの攻撃が来るかが絞り込める。
理沙達はアクアライズドラゴンの目線を追う事で攻撃の軌道すら読んでいるが、
それでやっと間一髪。攻撃と軌道を読んでやっと対等だった。

理沙「・・・・・・」
聡「・・・?」

理沙は予定通りアクアライズドラゴンの背後に回る。
しかし、聡から見て少し近づきすぎな気がした。
あれだけ近づいて尾が避けられるのか?

聡「おい理沙! 少し近づき過ぎだ、離れろ!」
理沙「・・・・・・」

理沙はアクアライズドラゴンに向けて銃を構える。
そして放つ・・・ピアスを。

聡「ピアス!?」
ナナ「・・・」

理沙がピアスを使う必要はない。
理沙はあくまで陽動のため、注意を引くために攻撃する役。
無駄に魔力を消費せずに行動する、そういう作戦だった。

聡「おい理沙!」
理沙「くそっ!」

ピアスに込めた魔力は相当のものらしく、水の防御壁に遮られたものの、
かなりの深さまで弾丸が到達している。
アクアライズドラゴンは理沙を脅威と見ていなかったため、
結果としてはこの攻撃によって理沙に注意を向ける事となる。

A.R.ドラゴン「グルルルルル・・・」
理沙「!?」

その巨体からは想像もつかない俊敏な動きで理沙の方に向き直ると、
背中に生えた大きな翼を羽ばたかせた。
突風と呼ぶのすら生易しい風が吹き、
軽々と飛ばされた理沙は後ろのビルに叩きつけられた。

理沙「うぐっ!!」
聡「理沙!!」

すぐに聡が理沙の下へ向かう・・・よりも早くアクアライズドラゴンは魔力を集中させた。

聡「このパターンは・・・!」
ナナ「コースケ!」

ナナの呼びかけに応えるように、コースケがアクアライズドラゴンの頭上に弾丸を放つ。
弾丸は大きく、速度は遅い。弧を描くように飛んでいく。

ナナ「これでも食らいなさい!」

ナナがコースケの放った弾丸を撃ち抜いた。
いや、コースケの弾丸にナナの弾丸が吸収されたのだ。
次の瞬間、弾丸は割れ、中から剣が山のように飛び出てきた。

ナナ「・・・チッ」
コースケ「やはりバブルではダメか」

コースケが撃った『バブル』とは、物質に当たるか、または物質に当たられるかすると、
その物質を弾丸内で大量に増殖させるという特殊弾。
弾丸の増殖可能許容数を超えると、弾丸は弾け、中身が飛び出てくる。
当たった物質を取り込むか、
当たってきた物質を取り込むかはコースケの意思1つであるが、
弾丸の性質上、あまり強力な物質は取り込めない。

そしてナナがバブルに向けて放ったのは『セーブ』。
魔力を込めた弾頭で触れる事で、触れた物質を弾丸内に閉じ込める事ができる。
閉じ込めた物質は放った弾丸が当たった際に解放されるが、
大抵はその衝撃で砕けてしまう。
また、込めた魔力より魔力の高い物や人は閉じ込められない等、
何かと制約の多い弾丸である。

聡「なんだあの弾・・・」
理沙「うっ・・・!」
聡「理沙、平気か?」
理沙「これくらい平気よ・・・次こそは」
聡「何言ってんだ! お前の役目はあいつを倒す事じゃないだろ!」
理沙「いけるわよ! さっきは魔力が足りなかった・・・もっと込めれば」

理沙の様子がおかしい。
いつも任務では自分の役目を果たす事に忠実なのに、
今はやつを自分の手で倒そうとしているし、目も血走っている。

聡「あいつに何かあるのかよ!?」
理沙「別にないわよ・・・ただ殺したいだけ」
聡「なっ! おい待て!」

そう言うと理沙は再びアクアライズドラゴンに向かって行った。
攻撃的すぎる理沙の言動に聡は戸惑った。

ナナ「サトル」
聡「ナナか、なんだ?」
ナナ「あんたはこのでかいのを倒す事に集中して。理沙はあたしがなんとかするから」
聡「なんとかって、信用できるのかよ」
ナナ「なによぉ、あんたから先に片付けるわよぉ~?」
聡「てめっ、理沙に何かあったら承知しねぇぞ!」

通信を終え、ナナはアクアライズドラゴンの正面へと向かう。
理沙は大量のブルーバレッドを、自分に当たりそうなものだけピアスで破壊していた。
それでも見ていて危なっかしい戦い方に聡も手を貸したくなるが、
ナナを信じて反対側に回る。
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