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succession eyes ~重なる世界~ 第18話

第18話です。
いよいよ次回で最終話。目が見えるようになった理沙は・・・。

次回更新は月曜日の予定です。
今回もこちらで裏話載せてます。






魔獣「・・・?」

確かに目の前にいたはずの獲物が突然消えた事に魔獣は困惑していた。
その背後に理沙はいた。
反射的に攻撃を避け、さらに驚くべきスピードで魔獣の背後に回っていた。

理沙「目が・・・どうして・・・?」
魔獣「!?」

理沙の声に、魔獣はようやく背後を取られていた事に気付いた。
そして再び姿勢を低くして理沙に飛びかかった。

魔獣「グルアァーッ!!」
理沙「っ!」

飛びかかってきた魔獣に対し、姿勢を低くして構える理沙。
そのままあご下に強烈な一撃をお見舞いしてやる。
殴られた魔獣は勢い良く吹っ飛ばされた。

理沙「・・・すごい」

以前、下級飛竜種を相手にした時など比べ物にならない圧倒的な力。
全身に魔力が満ち溢れるのが分かった。

魔獣「グルルルル・・・」
理沙「!」

魔獣はむくりと起き上がると再び身構えた。
だが今度は警戒し、こちらの隙を窺っている。

理沙「さすがに素手じゃ・・・」
魔獣「グルルルル・・・」

なんでも良い、とにかく武器が欲しかった。
鉄パイプでもなんでも、今なら魔力を通して強力な武器に仕立てられる。
周囲を見回してみるが、武器になりそうなものはなかった。

魔獣「ガァーッ!!」

理沙が辺りに気をやった隙をついて魔獣が飛びかかる。
それに気付いて理沙が身構える。こうなったら肉弾戦しかない。

???「フリーズ!」
理沙「!?」

声と共に放たれた弾丸は一瞬で魔獣を氷漬けにする。
続けざまに放たれた弾丸によって魔獣は粉々に砕けた。

聡「理沙!」
理沙「聡・・・どうして」
聡「お前が基地から追い出されたって聞いて・・・でも、なんか大丈夫そうだな。
  何があったんだ?」

理沙「・・・私にも良く分からないけど、きっと彼女が助けてくれたのよ」
聡「彼女?」
理沙「説明しても信じてもらえないでしょうけど・・・」
聡「・・・これからどこに行くんだ?」
理沙「分からないわ」

突然、何か不穏な影を感じた。
胸騒ぎというべきか、とにかく何か嫌な予感がした。

聡「どうした?」
理沙「わからない・・・けど、何か嫌な感じがするの」
聡「嫌な感じ?」
理沙「・・・私行かなきゃ」
聡「行くってどこに?」
理沙「破滅の穴」
聡「破滅の穴って・・・」
理沙「・・・・・・」

感じた不安の正体は分からない。
だが理沙には確信があった。『理沙』が危ない。

聡「・・・ったく、チャージしといて正解だったぜ」
理沙「え?」

聡は乗ってきたマジカルモーターから降りた。
さらにセブンリボルバーを理沙に手渡す。

聡「きっと必要になるだろ」
理沙「何言って・・・これじゃあなたが丸腰に!」
聡「俺は良いんだ・・・それに大事な仲間を失って、その上お前まで失いたくない」
理沙「聡・・・」
聡「一通りの訓練は受けてるんだ。武器なんかなくても無事に基地まで戻れるさ」
理沙「・・・ありがとう」
聡「ああ・・・じゃあな」

マジカルモーターに跨り、その場を後にした。
理沙はこの時初めて自分の聡に対する気持ちに気付いた。

理沙「・・・さようなら、聡」




奈々「理沙!?」

突然倒れた理沙を奈々は慌てて抱きとめた。

理沙「奈々ちゃん・・・」
奈々「理沙、大丈夫!?」
理沙「うん、ごめん・・・あっ」
奈々「どうしたの? どこか痛む?」
理沙「奈々ちゃんの顔・・・やっぱり見えないや」
奈々「えっ?」

そう言う理沙の目に光は宿っていなかった。
目の前にいる自分の顔が、理沙には見えていないようだった。

奈々「一体何がどうなって・・・」

ドゴーンッ!

突然大きな爆発音が轟いた。
ビックリして音のした方を見ると煙が上がっている。
それに銃声も聞こえてくる。

奈々「今度はなんだっていうのよ!」
理沙「奈々ちゃん、今の音って・・・」
???「君達っ!」

後ろから声をかけられる。そこには銃を持った自衛隊員がやってきていた。

自衛隊員「ここは危険だっ! 早く逃げなさい!」
奈々「えっ、危険って?」
自衛隊員「危険な猛獣が暴れ回ってるんだ。あの爆発もその音だ」

自衛隊員が指差した方から何かが向かってくるのが見えた。
狼のようだが、大きさは優に3mを超えており、銀色の毛は所々血で赤く染まっている。

自衛隊員「くそっ、化け物め! 我々が食い止めている間に逃げるんだ!」
奈々「あっ、ちょっと待って!」

奈々が呼び止めるよりも早く自衛隊員は他の隊員と共に向かっていった。
素早く隊列を組み、一斉に銃弾を浴びせかける。
けたたましい音が響き、理沙も奈々も耳を塞いだ。
だが銃弾は狼の体に多少の傷を付けるだけで、いくら撃っても致命傷を与えられない。
それどころか、そいつは怯む事なく猛然と向かってきた。

自衛隊員A「ぐあぁっ!」
自衛隊員B「ぎゃあ!!」

目の前で次々と食い千切られる自衛隊員。
恐ろしい光景に奈々は目を背けた。

自衛隊員「くっ・・・! なにしてるんだ君達! 早く逃げるんだ!」

先ほどの自衛隊員がこちらに向かってきた。
それに気付いた狼はその自衛隊員に真っ先に向かってきた。

奈々「あぶな・・・!」

奈々が叫ぶ間もなく、目の前で自衛隊員はただの肉塊へと変わる。
食いかけのそれをペッと吐き捨て、狼は理沙達を見据えた。
いや、その視線は理沙だけを見ている。

理沙「この気配・・・魔獣?」
奈々「魔獣って、こいつが・・・?」
魔獣「グルルルル・・・」
奈々「理沙を食べるつもり・・・そんな事させないわよ!」

理沙を守ろうと魔獣の前に立ちはだかる奈々。

理沙「奈々ちゃん!?」
奈々「理沙、あんたは逃げなさい! とにかくどこかに隠れるの!」
理沙「やめて奈々ちゃん! 殺されちゃう!」
奈々「何言ってんの、約束したでしょ」
理沙「・・・え?」
奈々「理沙の事、何があっても守るって」
魔獣「グルァァッ!」

ぎゅっと目を瞑った奈々だった・・・が、魔獣の牙は奈々には届かない。

???「このやろぉーっ!!」
奈々「!?」

聞き覚えのある声に目を開けると、魔獣の左目に鉄パイプを突き刺す聡がいた。
銃弾でもびくともしなかった体だが、唯一目だけは例外だったらしい。

聡「篠崎は・・・篠崎は傷付けさせないぞ!」
理沙「聡君・・・?」

その声が聡のものである事に気付いた理沙。
だが魔獣は己が身に纏わりつく敵を払いのけるために暴れ回った。

魔獣「グギャアアアアア!!」
聡「ぐはぁっ!」

長い尾で鉄パイプごと聡を払いのける魔獣。
聡は強烈な一撃を受けて崩れた瓦礫に吹っ飛ばされた。

理沙「聡君ッ!?」
奈々「危ない理沙!!」

慌てて理沙を抱き押さえる奈々。
それが目立ったのか、魔獣は怒りの矛先を奈々に向けた。

魔獣「ガアアアアアーッ!!」
奈々「ッ!」

魔獣は奈々に襲い掛かった。
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