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succession eyes ~重なる世界~ 第19話

ついに最終話です!
理沙と奈々の運命は? そして破滅の穴へと向かった理沙は!?

今回もこちらで裏話載せてます。
12月25日(木)には、アフターエピソードを載せる予定です。





今度こそ死を覚悟した。
それでも、せめて理沙だけは助けてほしいと願った。
自分は死んでも良い、理沙だけはっ!

ガンッ!

銃声と共に1発の弾丸が正確に魔獣の脳を撃ち抜いた。
奈々に襲い掛かろうとしていた魔獣はあっさりとその場に倒れる。


???「大丈夫!?」
奈々「えっ?」

声のした方を見る。
そこにいたのは、見た事のない乗り物に乗った、しかしとても見覚えのある顔だった。

奈々「・・・理沙?」
理沙「え?」
奈々「・・・じゃあないわよね、ここにいるんだから」

目の前にいる『理沙』に驚く奈々-奈々を見て驚く『理沙』。
ここにいるはずの-いないはずの人だから。

『理沙』は破滅の穴に飛び込み、穴を抜けてこの世界に来た。
そして目の前で魔獣に襲われる2人を見てピアスを放った。

理沙「その声・・・理沙さん?」

理沙「理沙・・・」
理沙「良かった・・・無事だったんですね」
理沙「えぇ・・・あなたのお陰で」
奈々「ひょっとして、この人が理沙の言ってた・・・」
理沙「ね、本当にいたでしょ?」

嬉しそうに笑う理沙。奈々はそんな風に笑えなかった。
それは『理沙』も同じであった。

奈々「じゃあ・・・だって、あんたの目が見えなくなったのって」

理沙「え?」
理沙「良いの、それで理沙さんが助かったんだもの」
理沙「それって・・・じゃあやっぱり、私の右目が見えるのは・・・」
理沙「気にしないで理沙さん。私は理沙さんが無事ならそれで良いから」

屈託のない笑顔を向ける理沙。
かつて奈々が、真希が自分に向けていた温かい笑顔だった。


理沙「どうして・・・私、あなたにあんなひどい事を」
理沙「そんなの気にしてないよ。それに、理沙さんだっていっぱい傷付いたんだもん」
理沙「理沙・・・」

泣きそうになる『理沙』だったが、続く騒ぎにグッと涙を堪えた。
そして自分がやってきた破滅の穴へと向かう。


理沙「理沙さん・・・?」
理沙「待ってて・・・あの穴を壊したら、すぐに返すから」

理沙は破滅の穴の前まで行くと、穴に向けて銃を構えた。
小さく深呼吸をし、魔力を集中させていく。

理沙「お願い聡・・・力を貸して」

セブンリボルバーが煌びやかな七色の光を纏った。
その光はさらに大きくなり、力強さを増していく。

理沙「はあーーーーーっ!」

引き金を引いた。輝く銃弾は真っ直ぐ穴に向けて放たれた。
その軌跡には虹が映し出されていた。
次の瞬間、穴は中心の弾丸に吸い込まれるように縮まって行き、やがて消滅した。
理沙の魔力に耐え切れなかったのか、セブンリボルバーはその場で砕け散った。



理沙「理沙!」

理沙はもう1人の自分に駆け寄る。

理沙「もう大丈夫。魔獣も穴も、もう存在しないわ」

理沙「うん、やっぱり理沙さんはすごいんだね!」
奈々「すごいんだね! じゃないわよっ! 理沙、これからどうするのよ!」

理沙「・・・」
理沙「どうって?」
奈々「だって、あんた目がっ!」
理沙「だからそれは・・・」

理沙「大丈夫よ」
奈々「え?」
理沙「私が治すわ。魔力を移せばできるはずよ」

理沙に手をかざそうとする『理沙』。その手を理沙は制止する。

理沙「そんな事したら、また理沙さんが失明しちゃうよ!」

理沙「・・・あなたからもらった物を返すだけよ。
   それに運が良ければ、右目くらいは見えるかもしれないし」


以前の状態に戻るだけ、と笑って言う『理沙』。
見えないはずの笑顔が見えた気がした。

理沙「でも・・・」
奈々「あのっ!」

理沙「?」
奈々「あたしの力、使えませんか?
   魔力とか良く分かんないけど、それで理沙の目が見えるようになるなら!」


理沙「・・・あなた、奈々ね?」
奈々「えっ、何であたしの名前・・・」
理沙「そう・・・」

奈々・・・あなたはこの世界でも、私を守ってくれていたのね。

理沙「ありがとう、でも気持ちだけ受け取っておくわ・・・いくわよ」

理沙「・・・はい」

2人の理沙が目を閉じると、互いの体を光が包んだ。
その光は徐々に小さくなり、やがて理沙の体へと消えていった。
光が消えると、2人はゆっくりと目を開いた。

奈々「理沙! あたしの顔分かる!?」
理沙「見える・・・見えるよ奈々ちゃん!」
奈々「やったー!」

2人は抱き合って喜んだ。
その横で理沙も、自分の身に起きた小さな奇跡を噛み締めていた。


理沙「(魔力の大半は失ってしまったけれど・・・
   視力を失わなかったのは、あなたのお陰かしらね)」


理沙「理沙さんの目は!?」
理沙「ちゃんと見えてるわ、私と同じ顔がね」
理沙「良かったぁ~!」

これで全てが終わった。安堵する理沙の後ろで瓦礫が崩れた。
理沙は咄嗟に身構えて警戒した・・・が。


理沙「聡君!」
理沙「ッ!?」

『理沙』が駆け寄った先、瓦礫の山から出てきたのは確かに聡だった。
なぜ彼がここに・・・。


理沙「聡君、大丈夫!?」
聡「あぁ・・・理沙、ケガはないか?」
理沙「私は大丈夫・・・聡君ケガしてる!!」
聡「平気だよこれくらい・・・ッ!」
理沙「・・・ごめん、ごめんね・・・私のために・・・」
聡「・・・無事で良かった」


泣きじゃくる『理沙』を抱きしめる聡。
理沙はその姿を見て、彼もまた、別世界の聡なんだと理解する。
そして、世界は違っても、奈々も聡も自分を守ってくれていた事を知り、
オッドアイの瞳から大粒の涙が流れた。




やがて、自衛隊や警察、救急車や報道記者などが押し寄せるように現場に到着した。
それは理沙達がその場を離れてから僅か数分後の事であった。

理沙「これからどうするんですか?」

理沙「そうね・・・元の世界に帰る穴は自分で消滅させちゃったし、
   とりあえずは住む場所を探すわ」


理沙「じゃあ私の家に来てください!」
理沙「えっ・・・」
奈々「お父さんお母さんになんて説明するのよ」
理沙「いっ、生き別れのお姉ちゃん・・・とか?」
奈々「一番通じないウソね」
理沙「えぇーいけるよぉー!」
奈々「通じるわけないでしょうが!」

2人が『理沙』をどうするか話す中、当の本人は腕を押さえる聡に目をやっていた。


理沙「大丈夫?」
聡「あ、ええ・・・」
理沙「・・・ちょっと見せて」
聡「いや、本当にだいじょいでででででっ!!」

聡の声に2人も気付きやってくる。

奈々「なに? どうしたの?」

理沙「やっぱり折れてるじゃない!」
理沙「ええぇ!?」
聡「いや、ええっと・・・」

理沙「どうして今まで言わなかったの!」
聡「いやぁ、かっこわりぃし・・・」
理沙「何下らない事気にしてるのよ! 理沙ッ! 治療施設はどこ!?」
理沙「ち・・・え?」
奈々「病院の事でしょ、救急車呼んだから5分もしたら来るわ」
理沙「奈々ちゃん早い・・・」


救急車が来るまで『理沙』はずっと聡を心配していた。
それはすっかり日常の平和な風景だった。
聡を心配する『理沙』を見て、きっと彼女も聡の事が好きなんだろうと思った。

私の知っている奈々や聡はいない。
でも、私を知っている『理沙』がいる。
『理沙』を知る奈々や聡がいる。
奈々が、聡が、私を守ってくれたように。
この世界で奈々や聡が彼女を守っているように。
私もこの世界で・・・彼女を守ろう。

大切な親友、最愛の人を失い、この世界にやってきた理沙だが、
そこには本当に欲しかった平和な世界があった。
この世界で、もう1人の自分と共に生きていこう。
理沙は誰にともなく誓ったのだった。

理沙「ほら、行くわよ3人とも!」


                           ~fin~
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コメント

No title

完結おめでとおおおおおおう
いい最後だったよ・・・あーんど楽しませてもらったよ(・ω・)
rider先生の次回作をおたn・・・アフターエピソードだとぅ!?
wktkせざるを得ない(・ω・)

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