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ある雨の夜に・・・第11話

第11話です。終盤に差し掛かってます。
背景を想像して読んでいただけると嬉しいです。








コンコンコン
「失礼。ごめん、こんな夜遅くに・・・」
そういって僕が部屋に入ると、アリカちゃんは窓辺から静かにこちらを見た。
「どうしたんですか?」
「いや、部屋から物音が聞こえた気がしたから、何してるのかなって・・・」

するとアリカちゃんは嬉しそうに、
「これを書いていたんですよ」
と一冊の本を指差した。
「これは・・・・・・日記?」


彼女が持っていたのは日記だった。
どうやら今日1日のことを日記に書いていたらしい。
僕はその日記を読ませてもらうことにした。
そこには楽しい思い出ばかりが沢山書かれていた。


家族で過ごした12歳の誕生日パーティー。学校のみんなと行った旅行の数々。
そして僕達がやってきたことも書かれていた。
・・・ん? ということは聞こえてきたのは日記を書く音だろうか?
それにしてはやけにはっきりと、まるですぐ横で書いているような・・・。


そんな事を考えていると
「・・・・・・・・・眠れませんか?」
とアリカちゃんが心配そうに尋ねてきた。
大丈夫と答えたが、聞こえているのかいないのか、
アリカちゃんはうつむきがちに言葉を続けた。

「すいません。あんな狭い部屋しかなくて。
 本当はもっと広いお部屋に案内してあげたかったんですが・・・」
「そんなことないよ。
 アリカちゃんのおかげで濡れずに済んだんだし・・・感謝してるよ」
アリカちゃんは嬉しそうに微笑んで再び視線を日記に戻した。


雨上がりの晴れた月明かりの下で日記を書く彼女は、
不思議ととても大人びて見えた。

そんな彼女の姿を見て、僕はなぜか今ならぐっすり眠れる気がした。
そして部屋に戻った僕は、案の定ぐっすりと深い眠りについた。
耳元で、アリカちゃんの声が聴こえた気がした。
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