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ある雨の夜に・・・第12話

第12話です。次回で最終回の予定です。







次の日の朝、僕達は武の大声で目を覚ました。
孝之はひどく不機嫌そうに目を擦っている。

「まったくお前ら心配させやがって!
 いつまでも来ないからこっちは警察まで呼んで森中探してたんだぞ!!」

周りを見ると確かに警官の姿が見える。
だけど僕達が武の別荘に1日ほど遅れるのは今に始まったことじゃない。
いくらなんでも警察を呼ぶのは騒ぎすぎだ、と僕が答えると、

「そりゃあ1日ぐらいなら俺だって心配しないさ。けど3日だぜ3日!!
 そんだけ経っても連絡がなかったらさすがに心配するだろうがっ!」


・・・3日? 何を言っているんだ?
僕達は昨日1日この屋敷に泊まっていただけだ。3日とはいつから数えて3日なんだ?

そう思いながら辺りを見回した僕は愕然とした。
そこは確かに屋敷の中だった。
しかしそこは昨日まで居た屋敷とはまるで違う、
最初に外から見たボロ屋敷そのものだった。

階段は崩れ、床は所々抜け落ち、天井は屋根が何箇所か欠けている。
昨日見た時はこんなじゃなかったはずなのに…。


そうだ、アリカちゃんは!?
そう思って隣を見てみると・・・・・・・・・壁がなかった。

隣の部屋は壁が崩れて丸見えで、
昨日アリカちゃんが座っていた窓辺も木の屑などが散乱して荒れていた。

一体なにがどうなっているのか・・・まるで状況が掴めない。
そして武が持っていた日付つきの時計は確かに3日経ったことを示していた。



後でわかったことだが、イギリスの名門エヴァンス家では、
代々男は幸運の象徴、女は災いの象徴とされているらしく、
アリカちゃんは生まれてすぐに母親と家来数人と共に日本に追いやられたらしい。

家来は母親には愛想がいいが、
母親がいない時はアリカちゃんを虐待することもしばしばあったらしく、

その母親もまもなく死に、それからアリカちゃんはずっと1人で、
あの広い屋敷で暮らしていたらしい。

そして12歳の誕生日の日に突然自室で血を吐いて倒れ、
そのまま死んでしまったと・・・。


以来あの屋敷には誰も住まなくなり、その時あの屋敷で家来として働いていた女は、
本家の命令でアリカちゃんの死体を家に置いたまま屋敷の扉を鎖で繋ぎ鍵をかけた。

臭いものには蓋。災いの元は決して外に出ないようにという事だろう。
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